草加市立病院（埼玉県）の出産レポート
このレポートは2014年6月に埼玉県の草加市立病院で出産された方のレポートです。
2014年6月初旬、妊娠9ヶ月。それまで健診を受けていた病院から紹介状をもらい受診した草加市立病院で、切迫早産のため緊急入院となった私。それまでウテメリン錠を服用し、なるべく安静生活を心がけていたけれど体質には勝てなかったようです。
24時間点滴でトイレ以外は絶対安静の生活を3週間続けた後、一度も退院することなく37週目前でそのまま出産となってしまいました。
出産を予定していた病院で産めなくなるかもしれない、上の子たちのこと、入院費用のこと…。
ベッドの上で点滴につながれた安静生活では、不安しか浮かんでこなかったけれど、退院するころにはこの病院で出産できて本当によかった！という気持ちで満たされていました。
思いがけず長期入院となってしまった私の、入院～第三子出産、退院までのレポートです。
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逆子でも下から！分娩～出産直後
７ヶ月のころから、それまで通院していた病院で「逆子です」とずっと言われていた私。もちろん、逆子体操がんばってやっていました！けれど、体操をがんばればがんばるほどお腹が張ってしまい逆効果。『帝王切開』の４文字が頭の中をぐるぐるとしていたのですが、この病院では逆子の経膣分娩を取り扱っているとのこと。もちろん、通常の分娩とは異なるのでさまざまなリスクがありますが、私の場合は第三子ということもあり、担当医から許可をいただいて出産に挑みました。経験豊富な先生方が揃っているのが、この病院の特徴のひとつだなと感じています。
転院してきたのでこの病院の母親学級を受けておらず、陣痛室や分娩室などの施設の説明や分娩スタイルなどをまったく知らないまま３６週を迎え、出産前に一時退院をする予定となってから説明を受けましたが、その最中に破水してしまったのでそのまま分娩室へ入り、出産。両親学級を受講していないので主人の立会いはかないませんでしたが、出産の直前まで分娩室に入ることを許可してもらえたので、ほぼ立会い希望が叶ったといっていました。
通常は陣痛がきてから連絡して入院、陣痛室へ通されます。陣痛室は個室ではなくベッドが並びカーテンで仕切られ、畳敷きのスペースもありました。
陣痛が強くなるように産婦人科病棟内を陣痛を堪えながら歩くように言われていた妊婦さんもいました。陣痛が強くなったら通路を挟んで目の前の分娩室へ移動、分娩室はいわゆる病院の手術室といった感じのつくりでしたが、ナースステーションと直結していて常に複数人の助産師さんがついてくれて、励ましてくれたり介助してくれたり、心強かったです。
赤ちゃんが産まれそうになると、同じフロアにある小児科病棟から小児科の先生がすぐに駆けつけてくださり、赤ちゃんの状態をチェックしてくれます。ここが総合病院の強みだと思います。少しでも異常があると判断されれば、新生児治療室へ搬送してくれて迅速に治療を開始してくれます。
産後の処置が終わると、陣痛室へ移動し２時間ほど休憩を取ります。ベッドに横になって悪露の確認後、すぐに初乳を飲ませるために赤ちゃんを連れてきてくれます。もちろんすぐにはおっぱいは出ませんが、抱き方飲ませ方を丁寧に教えてくれます。この休憩中は主人も部屋に入って赤ちゃんを抱っこしたり写真を撮ったりすることが可能でした。一番に抱っこさせてあげたかったので、助産師さんにお願いしたら快くOKしてくれました。
休憩のあと問題がなければ病室へ歩いて移動となります。私は歩いて移動しましたが、処置された傷が痛んで歩くのが大変でした…。出血量が多い場合など車椅子で移動する方も多いです。
入院生活スタート
病室に移動してから赤ちゃんが連れてこられ、２４時間同室がスタートします。病室は４人部屋（大部屋）か個室が選べますが、個室はもちろん追加で差額ベッド代がかかります。大部屋はカーテンで仕切られているだけなので、同室の方にお見舞いが来たときなどはちょっと気になるかもしれません。赤ちゃんのベッドを自分のベッド脇に置いたら、ちょっとしかスペースもないので正直狭いです。ですが同室の方と育児に関する不安を話したり赤ちゃんの名前の話をしたりと、入院生活を楽しく過ごすことができるのが大部屋の良いところです。シャワーは部屋にないので、決められた時間内で予約を取って入ることになります。トイレと洗面は部屋の入り口にあるので、同室の方で共有でした。
個室はシャワーつきとシャワーなしと２種類あり、部屋はとても広いです。シャワーの時間も気にせず入れて、お見舞いも気兼ねなく来てもらえるのがよい所ですが、私にはちょっと広すぎて寂しかったです。
心強い病院スタッフ～母乳育児
赤ちゃんのお世話に関することは、基本的に授乳室で行います。着ている服が汚れたときの替えもオムツのストックも、授乳クッションや搾乳機も全て授乳室に揃っていて、常駐している看護師さんが使い方や授乳の仕方を教えてくれます。
そして、なんと言ってもここの病院の看護師さん、ほぼみなさんが助産師さん。ちょっとした疑問や不安にもすぐに応えてくれます。また病院が母乳推奨なこともあり、おっぱいに関することには積極的に声かけをしてきてくれます。
産後入院生活は完全母乳育児への第一歩！と、あげるときの姿勢、咥えさせ方、母乳の出具合などすべてチェックしてくれます。もちろん、最初のうちはおっぱいだけでは足りないのでミルクを追加して飲ませます。おっぱいが切れて痛くなる前に対処法を教えてくれたり、出過ぎて張ってしまうときはマッサージをしてくれたり、退院後できるだけ母乳で育てていけるように、入院中にできることは全て伝授してくれます。それこそ、スパルタ式に２時間３時間おきの授乳のため、夜中に起こしに病室まで来てくれたりもします。ですが、疲れているときはお願いすれば、夜中に赤ちゃんを見ていてくれるのでしっかり睡眠をとることもできますよ。
食事は母乳のために質素に
病院によっては、豪華なフルコースが３食出されるところもあるようですが、この病院は『市立病院』、いわゆる「病院食」が出されます。薄味で母乳にいいとされる和食中心です。毎食病棟内の食堂で食べますが、体調や希望により部屋での食事も可能です。産後の体調や母乳の分泌状態によって、メニューが変更されることも。ちなみに私は「乳腺炎対応食」にしてもらいました。
退院前日の昼食は、「お祝い膳」が出ます。薄味だけどとても手の込んだ内容で、フルコースやステーキじゃなくてもすごく満足できるものでした。
退院診察、延泊
私と赤ちゃんの退院予定日前日、赤ちゃんの黄疸値が退院基準値より高かったために退院できるかどうか当日に判断となり、さらに上昇したため退院延期となって光線治療をうけることとなりました。ですが、私自身それほど不安には思いませんでした。赤ちゃんの退院診察は同じフロアにある小児科の先生が診て下さり、私の赤ちゃんにあった頭血腫の説明やそれによって黄疸が出やすいことなどを図や実際の治療に使う器具で説明してくれたからです。しっかり説明を聞き、安心して入院継続をすることができ、母乳の指導を続けて受けられたことで完全母乳のみで育てられ、結果として退院延期になってよかったと思っています。
費用
私の場合は切迫早産での入院から出産まで退院することなく、1ヶ月弱の間病院内で過ごしたため、費用はかなり高額になるだろうなぁと予想していました。
今回、分娩は逆子の経膣分娩で「異常分娩」扱いとなり保険適用、出産一時金の利用申請をして、窓口での支払いは6万円ちょっととなりました。薬や差額ベッド代など、もっと高額になることを予想していたので少し安心しましたが、それでも大きな出費でした。切迫早産での入院がなかったとしたら、逆子の経膣分娩と産後入院の費用のみの請求となっていたので、出産一時金のみの支払いで足りていたと思われます。
最後に
母乳育児を推奨している病院はたくさんありますが、この病院は母乳育児をする人のための病院、といっても良いほどきめ細かく指導してくれます。時に厳しいくらいですが、家に帰ってから困らないように指導してくれたんだな、と退院してから感じます。実は退院してからのほうがおっぱいに関する悩みが多くなるんですが、退院後も（この病院で出産した人限定ですが）母乳外来を受診することができ、母乳育児を続けていく上でとても頼りになります。
完全母乳育児をしてみたい方や母乳育児に興味のある方にはお勧めしたい病院です。
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